【カジュアル日本画講座】5:日本画初心者さん 描き方作例1 胡粉と水干で描いてみよう

第5回 日本画初心者さん 描き方作例1 胡粉と水干で描いてみよう

今回は、初心者道具編1で購入した最低限の道具を使った、日本画の描き方です。
胡粉と水干絵具、墨のみで簡単に日本画を描いていきますよ。

日本画制作に必要な最低限の道具は、下の記事をどうぞー。

【カジュアル日本画講座】2:日本画初心者さんの道具その1最初にそろえるべき道具は?

日本画描く前日には膠の用意をお忘れなくー。

【カジュアル日本画講座】3:日本画初心者さん 絵を描く前日は膠を準備!

1、描きたいものを決めよう

描きたいものを決めてください。
スケッチしてもよいですが、好きな画像など用意してもいいと思います。
今回、若冲の版画、「青桐に砂糖鳥」をコピーして大下図として使用します。

第5回カジュアル日本画講座_1
これが「青桐と砂糖鳥」のコピー

Q、大下図ってなんすか?

A、本番の紙(本画という)に直接鉛筆で書いたり、消したりを繰り返すと、和紙が荒れます。それを防ぐために別の紙に線画を描き、本画に写します。この別の紙に描いた線画が大下図ですよ。

日本画はスケッチが大事っていいますが、このブログでは日本画をカジュアルに!がモットーですので、好きな画像拾ってコピーしてください。
コピーするときは、自分が描く画面サイズを考えてコピーするのをお忘れなく。

(ちなみに画像拾って絵を描くときは著作権とかあるので、個人で絵を楽しむ範囲にとどめておいてくださいね~。)

2、大下図を本画に写そう

とりあえず、構図を決めます。
今回は7㎝×7㎝のパネルで描きます。

第5回カジュアル日本画講座_2
パネルに大下図をかぶせて、構図を決めます

構図が決まったら、大下図裏面の線があるところを鉛筆で黒く塗っていきます。
鉛筆は濃ければ、濃いほどやりやすいです。

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面倒くさいので、できるだけ、線のあるところだけ黒くする

鉛筆で塗り終わったら、パネルにかぶせて、線画をボールペンでなぞります。
このときに、赤色や青色のボールペンでなぞると、どこをなぞったか分かりやすいです。

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なぞったあとに、本画を確認すると案外へろい線が引かれていたりします。
ちょこっと鉛筆できれいな線に整えます。

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大下図と見比べて、へろい線を修正する

 

3、墨線を引く

墨がない人は、鉛筆の線を頼りに描いてもよいかと。
わたしは墨線引くのが好きな人なので、墨線引かずにいられません。
墨にすこし水を入れて墨線を引きました。
上から絵具を塗ったときに黒く画面に伸びたらいやだな、というのと、絵具かけたあとの墨線の残り具合を考えて濃さを決めております。一応。

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4、背景を塗る

胡粉をつくります。
胡粉つくりは下記ページ参照ください。

【カジュアル日本画講座】4:日本画初心者さん 描き方 胡粉を溶こう

水干を少しお皿に出します。オレンジ系と黄色系を2種類出して混ぜます。
水干はサラサラの粉状ではなく、平たい塊状なので、指ですりつぶします。
ほんの少しだけ膠を入れて、ざらざらした感じがなくなるまですりつぶしながら混ぜます。

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丁寧にすりつぶす

溶いた胡粉を水干のお皿に入れていきます。
混ぜながら少しずつ入れて、色の濃さを決めます。
(塗ってから乾くと、皿の中の色より少し白っぽくなります)

背景の絵具が作れたら、刷毛で塗っていきます。
ちなみに、みなさん、日本画絵具は時間がたつと下に沈みます。
塗る前には必ずお皿の中を混ぜてから塗りましょう!

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1回塗って乾かしているところ

1回だけ塗るのでは画面が安っぽいといいますか、厚みがないので、3回塗りました。
(重ねて塗るときですが、乾かないうちにまた塗ると、にじんで模様ができたりします。画面サイズにもよるかもですが、表面が乾いてから30分くらいおいておいたほうがよいです・・・)

5、具体的なモチーフを塗る

背景を塗り終えて、青桐を塗ります。
青色、赤色の水干と胡粉を混ぜて色を作ります。
この時点で、わたしは青桐を白と青のグラデーションにしよう、というところまでしか考えていません(笑)。

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あー、鳥の色どうしよう・・・と色々考えたが、青にするという

くちばしや、羽など塗っていきます。
・・・で、

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あーれー?

これ、うまくいかないわ・・・となり、画面を洗いました!!

洗っちゃいました!!

洗っちゃったんですね~(3回目)

和紙は強いのである程度は洗えて、描き直せることをお伝えできてよかったですね~(クソッ)。

日本画は水彩と同じで水を使いますが、ある程度洗えるところがいいところかもしれません。

みなさんは、ちゃんと考えてから絵を取り組みましょう☆

その後は、写真をご覧ください・・・。

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オレンジが濃すぎたので、薄めた胡粉をかける・・・。

 

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青桐のさや?も緑色にしよう・・・
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先ほどの絵よりはましになりました・・・

まだ、のっぺりしていますので、細部の鳥の羽や、青桐のさやを塗っていきます。

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できたのである

いかがでしょうか?
結構かわいくできたのではないでしょうか!

胡粉と水干だけでも、けっこうかわいいのが描けると思ってもらえれば、よいのですが・・・。

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今回使用した水干

楽しそう、これなら描けそう、手を出せそうと思ったら、レッツチャレンジ日本画です!

カジュアル日本画講座の説明

かわいい日本画を描いて、日本画の普及を目指す日本画家ねこのふとん先生による、カジュアル日本画講座です。始めるには敷居の高いと思われている日本画をカジュアルに始められるように、道具の説明から書き方までを数回の記事に分けてお届けいたします。

また、当該講座で使用されるキャンパスサイズは70mm×70mmと大変可愛いサイズであり、取り扱いやすくなっております。

この講座は、「ねこのふとん」先生の「かわいい日本画」ブログから、記事を購入して記載しております。なお、カジュアルに日本画を描いてほしいという思いとは裏腹に、面倒な個所などついつい熱く語られておられ、若干お見苦しいと思われる表現がございますが、ほぼ原文のまま記載いたしますこと、ご了承願います。

画筆・刷毛について

弊社松月堂の画筆・刷毛は、お住い地域の最寄りの画材店様、文房具店様、ホームセンター様なので取り扱っていただいておりますので、お立ち寄りください。弊社は受託製造が基本でございますので、今お使いの製品は弊社製造品かもしれません。ご愛用くださいませ。なお、一部筆につきましては弊社オンラインショップでも販売しております。当該講座内に登場した筆につきましては、弊社でも製造をしております。詳細は下記をご覧ください。

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